コラム―子育て、ホット一息
この連載は、地元の民報『東北部新聞』に連載したものですぼくたち、花も虫も大好き!
「さなぎだよ!」
保育園で、子どもたちが輪になり葉っぱの入った箱を囲んでいました。真剣な目つきです。「それ、なあに?」「さなぎだよ!」「チョウチョになるんだよ!」。のぞいたらきれいな黄緑色のアゲハチョウのさなぎがたくさんいました。ワォ!
このさなぎの殻を脱ぎ捨ててチョウになる瞬間に出会えたら、子どもたちはきっと息を殺して目をこらすことでしょうね。
私はほっとしました。「子どもたち、レインジャーごっこだけではないぞ」って。
「センス・オブ・ワンダー」驚きを感じるこころ
海洋学者のレーチェル・カーソンは著書「センス・オブ・ワンダー」で、子どもと一緒に自然を感じる喜びを感動的に語っています。小さな甥のロジャーは、レイチェルとともに海鳴りや風の音、森の草花に虫など驚きに満ちた自然の生命の輝きに触れた時、生き生きと興味と関心を膨らませるのでした。「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと、レイチェルは強調しています。
その通りですね。教育の原点でもあると思います。そして大人が感動の心を持っていれば大丈夫。
庭先にだってありんこもミミズもいれば花も咲いています。「ミミズはね、緑の地球を作ってくれてるんだよ」って話したら、子どもはどんな顔をするでしょうか。
テレビやDVDでは決して味わえない世界が、そこにはあります。
(2013年6月7日 記)