2017年の旅

モルダウとスラブ舞曲のチェコとスロバキアへ

ゆかいな村長さんと聞いて驚くスロバキア教育

シロケー村の村長さん、ユーモアたっぷり。
 あまり長い時間は・・・と言われていたのですが、1時間20分もお付き合いしてくれました。
 シロケー小学校は9年生までで420人在籍。
 近隣の2つの村高学年がないので、5年生になるとシロケーにくるそうです。
 現在人口2450人。毎年生まれる子どもは、35人から40人、亡くなる方は15人くらいだといいますから、人口増加地域です。
 それは特別に子育て支援があるというより、立地条件がいいからのようでした。新しくできた高速のインターに近い、工業地帯へ通いやすいなど話してくれました。
 子どもたちは学校は午前中で終わります。
放課後は学童保育もありますが、美術学校、音楽学校、サッカーなどありますが、それは有料とのこと。
 手取りの収入が、平均で手取り500〜600ユーロだといいます。日本円にして6〜7万というところでしょうか。
 美術学校、音楽学校は7ユーロ、団体で教えるサッカーなどは2ユーロくらい。そこに給食代が3ユーロ・・・・・なかなかゆるくないですね。
村長さんは「子どもたちのために体育館を建てる計画です」と。体育館がないのですね。
  簡単なことと思うでしょう?でも、おききするところによると、許可されてからの予算は事前に降りるわけではなく、完成後支払われるのそうです。ですから資金繰りも大変、行政も大変。驚きのシステムでした。
 ガイドの邦子さんお話では教科書は無料で渡されますが、返還です。そのとき、汚した度合いで罰金があります。書き込まないで!いたづらしないで!ですよ。でも、どっちかというと勉強のできる子はきれいに使うようです」だって。
 9年生までありますが、日本のように進級できるわけではありません。
 その学年の学力がつかないと、留年、一年生でもです。最高11年生まで在校できます。それが、みなさんの前ではっきり「もう1年やりましょう」と言われるのそうですよ。
 周りもそう思っているし、本人も自覚しているから、納得するのですって。厳しいですね。さらに、成績は学校の責任ではなく、親の責任なんだそうです。これにはびっくり!!
 低学年のうちはしっかり見てやって、学習の習慣をつけさせるということらしいです。
ハンディキャップを持つ子は、今はいない。でも普通の学級でついていけないと判断されたら、ブロックに分けられた地域ごとに学校があるのでそちらに入るそうです。スロバキアに拠点として何か所かあるんでしょうね。
 最後にロマおはなし。ロマの子はほかの子と別学級。
 いいろいろ試してみたのだそうですが「うまくいかない。別にした法がいいと結論」と。
また「この村にはロマはいません。差別するわけではありませんが、内心ほっとしています」と本音ものぞかせました。生活習慣、考え方など違うジプシーと折り合って暮らしてゆくことは、頭で考える程簡単ではないと、実感を深くしました。

 村長室で記念撮影。村のしるしの入ったマグカップをプレゼントしていただけました。

 村長さんが言っていました。

 「もし、あなた方が30年前にきていたら、すぐ秘密警察がやってきて、私はこと細かく尋問されたでしょう。今は自由!!なにを言ってもいい。学校も国の縛りがなくなって、自治体で管理できるようになりました」

 体制が変わったことではまだ日も浅く、スロバキアの方の考えはさまざまでした。村長さんのような考えもあり、「昔がよかった」という人もありでした。「昔はパンが安かった」という理由で「昔がよかった」という方もいましたし。

 民主主義が充実してゆくには、時間がかかると同時に運動が必用でしょうね。これからの国だなと思いました。

 日本だって、民主主義を守り発展させるには戦い続けなければ、です。「日本は秘密警察へ逆戻り」の政治です。

 実に楽しい懇談でした。

 今日はシロケー村の小学校訪問と村長さんと懇談。
 小学校の子たちは420人、前項あ挙げての大歓迎、大きな拍手で迎えられました。びっくりしました。
 子どもたちの目が、みんな輝いています。
 そして開放的です。
 各学年が、それぞれ歌や踊りで歓迎してくれ、私たちも歌でお返し。...
 6年生が躍ったのはヒップホップ!!
折紙のコマのお土産に大喜びの子供あっちでした。
村長さんはユーモアたっぷりの方、1時間以上も懇談に応じてくれました。
 「民主主義になって変わったことは、国の縛りがなくなった。今は自治体が自由に教育できる。社会主義の時は36人学級だったが、今は28人です。
 もし30年前だったら、あなたたちが来た後秘密警察が来てこと細かく報告を迫られるところです。今は自由!!」
 給食をいただいてきました。
 ロマ(ジプシー)の問題は、ものの本で読むほど簡単ではないことがわかりました。

       (2017年5月23日  記)