ドイツ、スイス再生可能エネルギー視察旅行
4月12日 最終日 フライブルグ大学
いよいよ最終日となりました。明日は帰国の途につきます。
今日の案内は村上さんと、やはり環境問題を研究している若きジャーナリストの熊崎かなさんです。
熊崎さんは、「女性のひろば」に、ドイツ事情のエッセーを連載されているので、ご存知の方もいるかと思います。想像と違って大変小柄で、控えめな素敵な方でした。
今日はお土産を物色しながら、フライブルグの街の見学です。大聖堂のてっぺん近くの展望台まで登るという冒険?をしました。
古い細い螺旋階段を目が回るように上り詰めると、中心街が一望できましたが、最後の箇所は、下が丸見えでしたから、怖かった。
歴史のあるフライブルグ大学の見学をしました。1457年創立ですから日本の室町時代にできた大学です。
一番古いとされる棟は、歴史を刻んだ威厳に満ちていました。
正面玄関にアリストテレスとホメロスの大きな像が両脇にあり、また、「真実は自由につながる」との言葉が大きく金文字で書かれていました。
学費はもちろん無料です。学費をたくさん取って、奨学金は有利子なのは先進国では日本くらいなものです。
入学は簡単、出るのは困難で、入学した学生のうち、無事卒業するのは15パーセントとか。
日本の大学とはまったく異なる考え方で、専門家としての力量が高く求められ、学んだことで貢献するようになっています。たとえば会社に入ると、下積みからたたき上げではなく、即力が発揮で生きるそれなりの地位が与えられるそうです。
また、「あなたの仕事は?」と聞かれてのドイツ人の答えは「職業」を言います。決して会社名など言う人はいない、公務員でも専門職で入るので、入った後あちこち回されるような「人権侵害」はありえないそうで、「総務だ」とか「林野だ」とか仕事で答えるといいます。
大学は市民のものとの考えから、一般講座は普通に新聞に広告され、誰もが自由に受けられるそうです。「今やっている講義に、あなた方が入っていっても誰も何も言わないし、違和感はないですよ」と。
このごろはEUにあわせて大学の改革をおこなっているので、資格のランクも変わるから、もしかしたら卒業生の数は緩和されるかに知れないが、実際の社会で要求するかどうかは疑問だそうです。
平たく言うと、日本の大学を出たくらいのレベルは求めていない、だから、学びたいものが入って、しっかり学んで仕事で力を発揮してほしい、ということでしょうか。今回は教育問題はテーマでありませんでしたので、深くははいりませんでした。
発想の転換を迫られた駐輪所
さて、フライブルグの駅には、駐輪所があります。改装の工事中でした。
フライブルグでは自転車がエコの交通機関として、市民に愛用されています。自転車専用道路だけで400キロあるという街です。駐輪所もあちこちにあります。
村上さんに、フライブルグの駐輪所の考え方をレクチャーしていただきました。
駐輪所はパワーステーションの役割があると。自転車を使う人の立場にたって考えて、改装も進めているそうです。
ここでも私は発想の転換を求められました。
つまり、駐輪所に設置する機能は、まずは駐輪機能ですが、自転車の修理場所、レンタサイクル、カーシェアリングの事務所、旅行代理店、緑の窓口、自転車の専門店、それに、一休みできるカフェ。
どうです? 私はびっくりでした。もちろん、日本とは事情が違い、フライブルグの都市計画と公共交通網の整備、省エネ政策が進んでいるので出てくる考えであるわけですが、そこまで暮らしの転換をかんがえて未来に向かっていることは、学ばなくてはなりませんね。
ビアガーデンで乾杯!
最終日なので、街のビアガーデンで夕食と乾杯です。
黒い森に出かけていたグループと合流、ソーセージとビールで、この一週間で学んだこと、面白かったこと、エピソードに花が咲きました。
しかし、よく飲みました。本当によく飲みました。そして食べました。今晩だけでなく、1週間通してよく飲み、よく食べました。
最後の夜だというので、宿に帰ってからまた、村上さんの部屋に押しかけて、様々な話に花を咲かせましたが、村上さんや滝川さん、そして熊崎さんという素晴らしい専門家ガイドに恵まれたことが、今回の旅行をどれだけ豊かな内容にしてくれたことでしょう。感謝でいっぱいです。
また、これほどの素晴らしい仕事をもっと日本でアピールし、私たちは歴史も政治も違う日本で、地球を守るためにできることを探らなくては・・とだれもが感が込んだ旅にもなった気がします。
楽しい一週間でした。孫の顔がちらついて、早く帰って合いたい気持ちにもなっています。
私がいつも買っている日本では高いドイツの優れたおもちゃ、安く手に入りました。あれこれ、孫のために購入しました。