ニュージーランドの旅─小さな子もハカ
どこに行っても、「ラグビーでは日本はがんばりましたね」とか「またがんばって」とか、言われました。
あの試合で有名になったハカ。
最初の晩にホテルのショーで見たマオリ族の皆さんのハカはものすごい迫力だった。戦闘の時に士気を高め相手を威嚇するための踊りだっただけに、目を見開き、舌を思い切り出しての叫びはぞくっとさせるものがあった。
夫たちも一緒に踊りましたよ。
女性は片方に玉がついたヌンチャクのようなものを持って踊りましたが、オークランドの博物館でそのヌンチャクの大本を見ました。
やはり片方に丸い球がついています。
それは踊りで使っていた軽いものではなく、丸く削った石が使われていました。つまり、女性の武器だったんですね。
マオリの学校を訪問した時に、歓迎のセレモニーの中で子どもたちが踊ってくれたのは、ハカ。小さな子でも、それなりに可愛いハカを踊る姿に、この文化が継承されてゆく様を見ました。
あのタトゥーは自分の歴史を語ってるのだという。
カウリの木の樹液(琥珀)を使っていると聞きました。炭を混ぜて鳥のくちばしなどの鋭いもので入れ墨していくのだそうです。
ホテルに飾られた写真を見ると、男性は顔全体に、女性は顎に、見事な模様のタトゥーです。その模様で誰かがわかるとのこと。さぞ痛かったことだろうなあと思いますね。
NZの公用語は英語とマオリ語です。学校では両方を教えるそうです。
イギリスに侵略され、土地を奪われ文化も奪われた民族がマオリ語を公用語として認めさせ、政党も持っている。こんな国があるでしょうか。私は驚きました。マオリ族のたたかいが見えてきます。
1960年から70年代に世界的におきた民族独立運動に呼応して、NZの運動もあったのでしょう。
ガイドのDAIさんは「あの頃世界を励ました人権復活の歌を歌ったボブ・マーレ―に励まされたのです」と言っていました。
四分の一、マオリの血が入っていればマオリと認められてるそうです。
マオリと認められると、週200ドルのおかねを支給されるそうです。侵略責任からでしょうか。
4人家族で週800ドル。
これには国民の中で賛否の考えがあるようです。「マオリにお金を出すのは当たり前だ」という人もいればそうでない考えも。
「経済を支えているのはポリネシアなどから来た働く人」とDAIさんは言います。収入の少ない方々だと言いたいのですね。
昔、ドイツのヒトラーは、ユダヤの血が4分の一入ってると、ユダヤとみなし迫害しました。そんことを思い出しました。