ベトナムからのたより―平和と友好の旅

2011年9月19日  一日目  念願のベトナムへ

 昨日18日は、長野市議選の6人全員当選を果たし、心おきなく計画していたベトナムの旅にでた。もし、一人でも落としたら行く気持ちにはならなかった。本当に良かった。
 午後4時半、ベトナム時間で2時半にホーチミンに到着。アリのベトナムがゾウのアメリカを倒して解放されたのは1975年。夫はまだ大学生だったし、私は就職して間もないときだった。私たちの青春はベトナム支援の活動なしでは語れない。ベトナムとはどんな国なのか想像し、空港に降りたって、感慨深ものがあった。社会主義をめざす国ベトナムの庶民の暮らしぶりはどんなだろうかと、それも知りたかった。
 一週間で遭遇したことを話しながら、ベトナムに興味を持っている皆さんに、ベトナムの国の一端を皆さんに伝えられたら嬉しいと思い、モバイルパソコンに毎晩向うことにした。

ハレチェットさん(雪さん)との出会い

通訳の雪さん

 出迎えてくれた川美雪さん(ハレチェットさん)は1週間を通してガイドをしてくれる44歳のホーチミン出身のベトナム女性、通称「雪とよんでください」とのこと。小太りの親しみやすい方で、家族は「よろしく」と挨拶し合った。
 蒸し暑い。29度だが湿度は高い。「まだ涼しいほう。夏は40度もある」そうだ。それでも、異常な暑さの日本から来たから、大きな変化は感じなかった。

街はバイクでいっぱい

 ホーチミン市は人口800万人。首都ハノイより多い。まず驚いたのはバイクの量のすざましさだ。車はお金持ちしか買えない高級品、通勤は全てバイク。バイクで道がみえないほどで、クラクションが鳴り響き、車とバイクと人とが、ハラハラするようなタイミングですり抜けあってぐちゃぐちゃになって道を泳いでいる。交通ルールはないと同じの街の様子は、ちょうど中国と似ている。私たちはハラハラしどうし。私は中国でなれていたからだが、夫は「危ない!」「あ、ぶつかる!」と最初は車の中で叫び通しだった。

すごいねえ

 雪さんの話では「バイクはホンダ、でもホンダは高い。中国製も出ている。ヘルメットは日本のようにしっかり首まで保護していないでしょう。しっかりしたものは50ドルもするから高くて買えない。2ドルの安いものを使っている」そうだ。2人乗りはあたりまえ、3人、4人、なんと6人で乗っているバイクとも出会った。親子だった。

結婚するなら日本の女性?

 ベトナムでは「結婚するなら日本人の女性、建物はヨーロッパ、食べ物は中華調理」と言われるそうだ。「なぜ?」「日本の女性は、結婚するとだんなさんや子どものために食事をきちんと作るでしょう?ベトナムの女性はやりません。だめです。私は作りますが、だからけんかや離婚が多い」
 うーん、なるほど。でもこの頃は日本の若い男性も良く家事をやるようになっていると思う。しかし日本では男性も女性も、労働が厳しくて、まともな食事を作れる時間的余裕はなかなかないのが実態だ。けんかや離婚は日本でも同じことのように思う。
 「ベトナムの南部、メコンの付近は恵まれています。海の幸もある。食べ物に困らない。だから怠け者が多い。北部の女性はとても働く。ハノイは冬がある。だから奥さん、暖かい地方へ働きに出る人もいます。でも南部の女性はそんなに働かない」との厳しい言葉も雪さんの口から出た。「でも、私もだんなさんがたくさんお金を持ってきてくれるなら、働きたくない」そうだ。

「ドイモイはいい」

 雪さんにはハイスクールの一人息子さんがいるという。「教育費は大変高い。進学を考えると塾のお金もかかる。親は大変。将来は資本主義の国に行かせたい。資本主義はいい」という。「なぜ?」「ドイモイが始まってから、公務員の態度がよくなった。それまでは威張っていた。ベトナムでは共産党員でないと偉くなれない。ベトナム戦争をくぐってきた人は学歴だけでなく尊重されるが、ベトナムでは、お金さえあればなんでもできる」と。
 日本の資本主義がどれだけ労働者を酷使しているか、福島原発のような事故を起こしてしまったか、そんなことについては、今日は会ったばかりなので話をすることを避けて、彼女の話に耳を傾けた。
 夕飯は念願の「フォー」と春巻きを食べた。フォーは絶品であった。生春巻きは香草の香りが強くて、日本風の方がいいと思った。
 夫は、フォーを食べたお店で、店員さんの似顔絵を描いて大人気。店員さんが大喜びで、お互いに自分の似顔絵を見せあいながら、店中に大きな笑い声が響いた。娘たちに「日本と違うんだから、やたらと人の絵を描いたら怒られたりして大変なことになるかもよ。気をつけて」と忠告を受けてきたが、そんな心配はまったくなく、ベトナム人は人なつこい人たちだった。
 夜はベンタイン市場をのぞいたが、大変な人出で、活気にあふれていた。日本人とわかると「買ってくれ」と執拗にせまられる。日本人はお金を落としていってくれるお金持ちと見られているようだ。
 さて、明日から本格的にベトナムにはいる。楽しみだ。