ニュージーランドの旅─NZの働く女性たち
NZは皆さんご承知のように、世界で初めて女性参政権を得た国です。1893年の事でした。1919年には被選挙権を得ました。日本では1946年、戦後になってやっとのことでしたから、NZはすごいですね。
NZ10ドル札の人物は、女性の地位向上に貢献したケイト・シェパードでした。
世界女性の地位格差指数(収入、学歴、成果の比率などの比較)では、世界135か国でNZは61位、日本は101位。
賃金格差でみると、OECD32か国で見ると格差が少ない2位がNZ、日本はなんと30位。
女性の地位では日本よりNZの方がずっと進んでいます。
ちなみに、NZの女性首相は就任の次の年に産休に入り、副首相が代理を務めたことで有名です。
日本ではとてもとても考えられないことです。
私が子育ての時に学童保育の運動に携わった、今からほんの少し前だって「母親が子どもを他人に預けて働くなんて何事だ」と言われたのだし、今だって、仕事のために子どもを犠牲にしなければならない事態に追い込まれることは当たり前のようにあります。
労働条件をお聞きしたところ、パートとフルタイムとの賃金やその他の格差は全くないとのこと。
パートで働く女性は70%、フルタイムは30%。男性はその反対。
女性は主出産があること、フルで働くメリットがないことなどで、パートが多いとのこと。
学校も3時で終わるので、お迎えがありますし。
たとえば年金にも影響はしない。65才になれば誰もが300ドルの年金をもらえる制度です。年金の積み立てなどはなく、税金として丸めて払っているのかな。1年前のGDPの2パーセントをファンドで運用していると、どこかで読んだ気がするが。
ま、とにかく、パート労働は年金には関係ない。
また、失業保険も働いてなくても65才までは出るのだから、失業保険の後を年金でつないでくれる仕組みですね。
その失業保険も、20歳からもらえます。大学を出てすぐにもらえるので、ガイドのDAIさんは「それはどうかと思うのですよ。働く意欲を損なうのでは。失業保険で優雅な暮らしの若者もいますよ」とのことだったが。
それともう一つ、基本的に労働の考え方が日本人と違うのですね。
DAIさん曰く「仕事中心ではなく、家庭が中心、家庭事情に合わせて働くのです。一生の仕事という価値観がない」のだそうですよ。なるほどね。
お国によってほんとうに価値観が違うものなのですね。まあ、社会制度に裏付けられた面も多いとおもいますが。
いずれにしても、日本はまだまだ働く女性にとっては後進国であることは事実です。
お買い物をしたお店でも、学校でも、レストランでも、地熱発電の建屋でも、女性が生き生きとはたらいていました。
そうそう、NZにも女性省があるそうです。日本では内閣府の部局の男女共同参画局に当たるのかな。省にはなってないですね。
調べたら、女性省を持っている国はたくさんあるのですね。知らなかった。
ホキアンガからオークランドに戻る途中で、200年前開拓者が入った時そのままが保存された学校を見ました。
当時は女教師は、在職中は結婚してはならない、スカートから足を見せてはならない、男性と付き合ってはならない・・・などなどの厳しい規則があり、当時の規則がそのまま壁に貼ってありました。
そのNZで初の女性参政権を得たんですね。
ただ、気になったことは、そんなNZでうつ病や自殺者が多いということです。